Sension社 Progesterone Milk ELISAキットを⽤いた反復性と再現性試験

概要

乳⽤⽜のプロゲステロンレベルのモニタリングは⽜群管理の上で有効な⼿段です。ウシの⽣理周期中、そのレベルは著しく変化します。その周期のDay 0では、⻩体が不活発であるため、検出されるプロゲステロンは⾮常に低いレベルとなります。⻩体期中⻩体は、卵胞から発達しプロゲステロンの分泌を促し、従ってプロゲステロンレベルが増⼤します。妊娠している場合は⾼いレベルはその後(21⽇以降)もさらに増⼤し、そうでない場合は再びそのレベルは低下し、新しい周期の開始であることを⽰します。⽜乳中のプロゲステロンレベルの測定は、ウシの⼈⼯授精時期について、精度の⾼いスケジューリングの⼀助となり得ます。
Sension社 Progesterone Milk ELISAは⽣乳サンプルから直接プロゲステロンレベルを決定できる競合型イムノアッセイキットであります。

使用機材

測定システム:全自動ELISAシステム Crocodile LB925
       シングルチャンネルピペット (20-200µl)

試薬:    Test kit Progesterone in milk(Sension社)

サンプル:  地元農家提供⽣乳サンプル

測定結果

0から20ng/mLまでの濃度のプロゲステロンのスタンダードによる典型的な標準曲線例を図1に⽰します。

progesterone_milk_01

本アッセイの測定濃度範囲は0-20ng/mLで、分析感度は0.03ng/mLです。

精度

プロゲステロンELISAキットの測定精度を解析する為に、アッセイ内変動及びアッセイ間変動を算出しました。3種の⽜乳試料に対するアッセイ内変動を表1に、アッセイ間変動を表2に⽰しました。

表1:アッセイ内変動

表2:アッセイ間変動

変動係数(CV)は、平均値に対する標準偏差(SD)の⽐として算出し、20%未満である必要があります。

反復性

1個のプレート内反復性を解析する為に、96ヶ所のサンプルOD450-620を測定しました(表3)。SD及びCVを算出し、変動性/反復性を調べました(表4)。本プロゲステロンELISAキットは、OD450-620 のCVが10%未満である必要があります。

表3:OD450-620 測定値(96ヶ所)

表4:SD及びCV

回収率

0.1%の脂肪を含むUHT⽜乳に異なる濃度のプロゲステロンをスパイクしました。その濃度の期待値と測定値の⽐から回収率(%)を算出しました。

表5:スパイク後の回収率

直線性

3種類の⽣乳試料を0.1%脂肪含有UHT⽜乳で希釈系列を調製しました。UHT⽜乳のプロゲステロン濃度は 0.9 ng/mLでした。希釈系列濃度の期待値と測定値の⽐から回収率(%)を算出しました。

表6:3種類の異なる⽣乳サンプル希釈系列(UHT⽜乳希釈)の直線性

乳⽜⽣理周期中のプロゲステロンレベルの推移

⽣理周期中の⾎清中のプロゲステロン濃度を測定しました。プロゲステロンレベルの推移を図2に⽰します。

まとめ

Sension社 Progesterone Milk ELISAキットは、サンプルの前処理を必要とせず、40分以下で最⼤84種類の⽣乳サンプルのプロゲステロン濃度を分析することができます。全自動ELISAシステム Crocodile LB925を使⽤することで、6種類のスタンダードと⽣乳サンプルをマニュアルでアプライするのみで、装置が分析に要する⼯程を⾃動で⾏います。結論として、全自動ELISAシステム Crocodile LB925を⽤いたプロゲステロンレベル分析アッセイは、乳⽜の繁殖管理への理想的な⼿法であり、とりわけオンサイトで有効です。

謝辞

試験はSension社のラボで実施しました。本試験に於きまして、試薬供給およびテクニカルサポートを頂きました、Sension社ならびにMinitube 社のご協⼒に深く感謝申し上げます。

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※本ページの内容は2012年1月にTitertek Berthold社がリリースしたアプリケーションノートのアーカイブです