Knowledge Base #08
光学フィルターについて
蛍光測定や吸光度測定、その他BRET測定などで使用する光学フィルターについて、その特徴とモノクロメーターとの違いを解説します。
光学フィルターの特徴
光学フィルターは高感度であり、正確性を追求する科学分野の研究機器に最適です。
光学フィルターには下記の特徴があります。
- 低価格
- 交換が簡単
- 蛍光色素分子や染料に合わせられる
- 波長域がカスタマイズできる (5 nm 以下から 100 nm まで)
- 透過率が高い (最大 90 % まで)
一般的に顕微鏡などのイメージング装置、マイクロプレートリーダーなどの科学分析研究機器に使用されます。
光学フィルターは波長の一部を選択的に、かつ高い効率で透過し、不必要な他の波長の光を遮断するのに用いられます。これらはある波長よりも長い波長の光だけを透過する (ロングパスフィルター)、逆に短い波長の光だけを透過する (ショートパスフィルター)、特定範囲の波長の幅だけ透過してそれ以外の長波長と短波長をブロックする (バンドパスフィルター) があります。
バンド幅を狭くするか広くするか、実験する蛍光色素によって選択が可能です。
最大/最小幅の透過率やカットオフは鋭くしたり緩やかにしたりすることができます。
近年、干渉フィルターをデザインする技術は著しく改良されました。結果として、干渉フィルターは波長選択のために現在利用できる他のどのデバイスよりも優れている特性をそろえています。
たとえば、希望する波長の透過幅以外は非常に低い透過率を示す “Clean filtering” (純粋なフィルタリング) が可能となりました。
モノクロメーターとの違い
励起光とそれに伴う蛍光あるいは発光の波長選択に光学フィルターを用いているマイクロプレートリーダーの大きな利点は、高いエネルギーの透過率 (目的波長の光エネルギーの損失がすくない)、大きな光学口径、そして”クリーン”なバンドパスです。
これらすべての特徴がマイクロプレートリーダーで波長選択デバイスとして、光学フィルターの性能が光学グレーティング (モノクロメーター) より優れていることを証明しています。
ベルトールドテクノロジー社はフィルターを基本とした装置が、次にあげる目的に対して最上であると信じているからこそ、ほとんどの装置に高品質の光学フィルターを使っています。
- 感度・・・目的波長の高い透過率と不要な波長の効果的なブロッキング
- 価格・・・フィルターの価格はおおむね 12 万円程度
- 半値幅の選択・・・半値幅の選択肢が多く、さまざまな種類のフィルターが利用できる
- 素早いフィルター/波長の切り替え・・・切り替え波長の差に関係なく、高速カイネティクス測定のためのフィルター切り替え時間は 250 ms 以下です。(Fura 2 などの測定に最適)
ベルトールドテクノロジー社の製品群は「超一流中の一流」が誇りです。