OROBOROS O2k-FluoRespirometer
OROBOROS社製 O2k-FluoRespirometerはミトコンドリアや細胞研究のために開発された高分解能呼吸モジュラーシステムです。O2kはROS生成、ミトコンドリア膜電位、ATP生成、Ca2+、およびpHなどと組み合わせて、制御された酸素レベルでの呼吸(OCR)の測定を可能にします。さらに、蛍光センサーを取り付けた呼吸計測システム(FluoRespirometry:HRFR)は単離されたミトコンドリア、透過処理された組織および透過処理された細胞からインタクト細胞および組織の切片に至るまで、生体エネルギーおよびOXPHOS分析に使用することができます。実験データは経時的な酸素濃度としてだけでなく、これらのデータのリアルタイム変換としても表示されるため、実験の実行中に生物学的および生化学的サンプルの呼吸 (酸素消費量、酸素フラックス) を追跡できます。高分解能O2k技術は、ミトコンドリア生理学および病理学における研究の質と科学的成果に重点を置いて、世界的に著名な研究者の間で高い評価を得ています。
特長
研究者が開発したO2k-FluoRespirometerはミトコンドリア研究にとって重要な要素を網羅した装置です。
高分解能
O2k-FluoRespirometerは2秒間隔でシグナルをプロットすることが可能です。サンプルの反応をリアルタイムに追うことができます。O2kは制御された酸素レベルでの呼吸の測定を、酸化還元生物学 (NADHおよび CoQ)、ROS産生、ミトコンドリア膜電位、ATP産生、Ca2+、またはpHと組み合わせることができます。
HRRはHRPB(高解像度光生物学)に拡張されます。
Oroboros O2kを使用すると、単離されたミトコンドリア、透過処理された組織、透過処理された細胞から、生きた細胞や組織切片に至るまで、少量の生物学的サンプルを生体エネルギーおよびOXPHOS分析に使用できます。
実験データは、時間の経過に伴う酸素濃度としてだけでなく、これらのデータのリアルタイム変換としても表示されるため、実験者は実験の実行中に生物学的および生化学的サンプルの呼吸 (酸素消費、酸素フラックス) を追跡できます。
試薬の滴下回数が無制限
容量に制限があるマイクロプレート方式とは異なり、チャンバー方式であるO2kでは試薬の滴下回数に悩む必要がありません。
試薬の反応が真にピークに達しているのか確認することができます。
また、サンプルへ与える影響が大きい試薬を使用する際には低濃度の試薬を複数回滴下することで、その影響を最小限に抑えることが可能です。
低ランニングコスト
測定チャンバーはデュランガラス製です。
測定後に洗浄を行い、繰り返し使用することができるため、測定のたびに高価な消耗品を購入する必要がありません。
測定モジュール
OROBOROS O2kにはさまざまな測定モジュールが用意されています。これらのモジュールを使うことで幅広いアプリケーションに対応することが可能です。
モジュールの詳細は画像をクリックしてください
O2k-sV モジュール
(小容量測定チャンバー)
O2k-Fluo Smart モジュール
(蛍光測定)
O2k-TTP+ ISE モジュール
(ミトコンドリア膜電位測定)
O2k-pH ISE モジュール
(pH測定)
O2k-NO Amp モジュール
(NO測定など)
O2k-Q モジュール
(コエンザイムQレドックス)
O2k-NADH モジュール
(NADH測定)
O2k-PB モジュール
(暗呼吸/光合成など)
アプリケーション
- O2 consumption:O2消費量
- Normoxia – Hyperoxia – Hypoxia – Anoxia:正常酸素 – 高酸素 – 低酸素 – 無酸素
- ATP production:ATP生産
- Mitochondrial membrane potential:ミトコンドリア膜電位
- H2O2 production:H2O2の生産
- Ca2+ concentration:Ca2+濃度
- pH value:pH値
- Q-redox state:Q-レドックス状態 (NextGen-O2k)
- NAD(P)H-redox state:NAD(P)H-レドックス状態 (NextGen-O2k)
- Photosynthesis:光合成 (NextGen-O2k)
- Dark respiration:暗呼吸 (NextGen-O2k)
文献情報
OROBOROS O2kを使用した文献は現在4,770報 (2024年9月時点) を超えております
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仕様
酸素シグナル | |
無酸素時のノイズ | < ± 0.02 µM (SD、温度 37 ℃、0.2 秒間隔 100 データポイント記録) / スムージングなし (± 0.005 µM 通常) |
大気飽和によるノイズ | < ± 0.1 µM O2 (SD、温度 37 ℃、0.2 秒間隔 100 データポイント記録) / スムージングなし 180 µM O2 (± 0.005µM 通常) |
O2 直線性レンジ | 0 – 100 µM |
時間定数 | < 4 秒 37 ℃ (< 3 秒通常) |
酸素フラックス、JO2、 V [pmol.s-1. ml-1] | |
検出限界 | フラックス変化 0.5 (5 分以上の定常状態にて) |
分解能 (正常酸素) | < 1 (5 分以上、20 – 40 ℃ の定常状態にて) |
分解能 (高酸素) | < 3 (5 分以上、20 – 40 ℃ の定常状態にて) |
ノイズ | < 0.2 (標準スムージング 120 秒後) |
酸素レンジ | 500 µM O2 までのフラックス測定 および < 0.1 µM * DatLab を用いた酸素カイネティックス解析 (ミトコンドリア及び細胞)による |
全酸素範囲における直線性校正に関する機器バックグラウンド [pmol.s-1. ml-1] | |
O2 後方拡散 (0 µM) | < 3、20 – 40 ℃ (2.5 通常) |
O2 消費量 (200 µM) | < 4、37 ℃ (3 通常) : < 3、25 ℃ (2 通常) |
システム動作環境 | |
動作温度 | 4 – 47 ℃ (継続的モニター) |
温度安定性 | ± 0.002 ℃ |
サイズ / 重量 | 310 mm (W) × 450 mm (D) × 250 mm (H) / 13.5 kg (メインユニット) |
推奨PC | OS Windows XP、CPU Intel-Core-2 以上、メモリ 2 GB RAM あるいは Windows 10 & SS、CPU Intel i5 以上、メモリ 4 GB RAM |
装置トレーニング動画
装置のメンテンナンス方法、蛍光モジュールの取り扱い、サンプル前処理方法の動画を下記のページにまとめております。装置の使用方法に不安がある際にご覧ください。
オプション・消耗品
- MiR05-Kit:専用培地
- MitoKit-CII:細胞膜透過性コハク酸、マロン酸
- Oxia:酸素量調整オプション