IML-RESI PowerDrill®の測定変数

ニードルのドリル回転抵抗と貫入抵抗測定

貫入抵抗測定の利点

ードリル回転抵抗とともに貫入抵抗を測定することで現実的な樹木の評価を導き出すことができますー

IML-RESI PDシリーズでは木の内部にニードルを押し込むのに必要な力である貫入抵抗も測定します。実際の経験から貫入抵抗曲線はシャフト摩擦による影響を最小限に抑えることがわかっており、木の腐朽しているエリア、特に初期段階での検出が容易になります。

シャフト摩擦のドリル回転抵抗への影響

ーシャフト摩擦がさらに抵抗を発生させ、ドリル回転抵抗測定に影響を及ぼしますー

ドリル回転抵抗とシャフト摩擦

樹木のドリル回転抵抗を測定中、先端幅3mmのニードルは深さが増すにつれてニードルの進路に残されている木屑により次第に抵抗が強くなっていきます。このドリルにさらなる摩擦を引き起こすことを「シャフト摩擦」と言います。ドリル回転抵抗はニードル先端におけるねじれの強さとニードルシャフトの摩擦の測定で構成されています。ナラ、ブナ、ハリエンジュなどの硬い落葉樹は、ポプラやマツのような針葉樹よりもシャフト摩擦の影響が顕著になります。ドリルのプロファイルでは深さが増すにつれてドリル回転抵抗が増加する傾向から高いシャフト摩擦を識別することができます。ニードルが木を貫通したり空洞に当たってもドリル回転抵抗グラフは測定開始時の振幅レベルまで減少しません。

腐朽したナラの木

測定グラフは右から左に向かって読みます。樹皮は0から1.5cmの範囲にあたります。1.5cmから17cmまではドリル回転抵抗と貫入抵抗のグラフが安定して増加し、木の内部をニードルが通過していることを示しています。深さ17cmのところで貫入抵抗のグラフがわずかに低下し、木の腐朽が始まっている指標となります。この範囲のドリル回転抵抗は増加する傾向はなく一定です。貫入抵抗グラフの低下は23cmから26.5cmの間でさらに顕著になります。26.5cmから貫入抵抗はほぼ完全に初期のレベルまで低下します。しかしシャフト摩擦によりドリル回転抵抗は約30%の振幅を保っています。

樹木の欠陥と残存壁の厚さの推定

ー貫入抵抗測定により残存壁の厚さの評価が容易になり腐朽段階の指標となりますー

オオミコブタケが発生したクリの木

次の2つの例はオオミコブタケが発生したクリの木を測定した結果を示しています。視覚的には脆い燃え殻のような典型的な黒い変色が樹皮に認められ、損傷がないエリア (リファレンス測定用) および幹の根元の両方を測定しました。リファレンス測定は測定グラフを比較することで木の欠陥の識別を容易にします。この例ではドリル回転抵抗カーブと貫入抵抗カーブのいずれも一定の経過をたどっていることがわかります。

幹の根元で直接測定した結果はリファレンス測定データと比較して明らかな違いを示しています。ニードルの深さ9.5cm以降から両方の測定値において最初の著しい減少が観察できます。次のエリアでも均一なカーブの経過は見られません。これはオオミコブタケが原因となる樹木腐朽の典型的な現象です。

木材検査

ーIML-RESI PowerDrill®により、木材の構造的完全性の検査で明確な測定結果が得られますー

次の例ではドリル回転抵抗と貫入抵抗測定の両方から内部の欠陥が明確に示されています。直接地面の下のエリアを検査するために屋外に設置された遊具の基礎に-30°の角度で測定しました。両方の測定値は深さ4cmから大幅に減少し、損傷があるエリアが19cmから抵抗が増加するところまで広がっています。その後、深さ22cmでドリルの先端が遊具を貫通したことがわかります。

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