シングルセルRNAシーケンス前処理キット

HIVE CLX™ scRNAseq Solution

HIVE CLX™は、シングルセルRNAシーケンス(scRNA-seq)解析のための前処理用ツールです。
1細胞ごとの網羅的3’遺伝子発現プロファイルを取得します。
専用の装置は不要で手軽に始められるように設計されています。
従来法の弱点であった流路の詰まりを回避することができます。

HIVE CLX™ scRNAseq Solutionの特長

顆粒球(例:好中球)などの脆弱細胞集団、大きな細胞や粘着性が高い細胞、不規則な形状を持つ細胞など、マイクロ流路に詰まりやすい特性を持つ細胞集団、臨床生体サンプルなど多様性に富んだ細胞集団も簡単に処理することができます。

HIVE Collector と呼ばれる独自の検体保存容器を用いることで、脆弱細胞においてもシングルセル化を安定的に行い、長期間の凍結保存が可能です。(-20℃以下で最大9ヶ月)
サンプルの質を低下させることなく解析を行うことができます。

シングル化された細胞を容器にいれて、遠心処理をすると細胞がピコウェル(55µmφ)に入ります。このピコウェルの表面にバーコードオリゴが付加された磁気ビーズが設置されており、ライセート処理された細胞から漏出するmRNAが当該バーコードオリゴに捕捉されます。その後、逆転写やビーズ除去などの操作を経て、最終的にNGSライブラリーを作製します。

HIVE CLX™のピコウェル

ピコウェル構造により、従来のマイクロ流路法の課題点である流路の詰まりを回避することができます。
シェアストレスを受けないため顆粒球などの脆弱な細胞でも処理することが可能です。

160,000個のピコウェルの中には表面にバーコードオリゴが付加された磁気ビーズが設置されています。この磁気ビーズに捕捉されたmRNAを増幅してシーケンス用のライブラリを作成します。

HIVE CLX™で細胞を長期保存すると?

免疫細胞を凍結保存すると多くの細胞が破壊されてしまいます。

長期間の凍結保存(20wk-Cryo)ではT細胞(T cells)、単球(Mo)、マクロファージ(Ma)のほとんどが破壊されていました。
一方、長期間のHIVE保存(20wk-HIVE)では短期間の凍結保存(2wk-Cryo)と同等の生存率を維持しています。

HIVE CLX™を使用すると長期保存(9か月)でもサンプルのロスを極めて低く抑えることができます。

HIVE CLX™のワークフロー

01

細胞の準備

サンプル(臨床生検、固形組織、オルガノイド、細胞培養など)を取得し、単一細胞懸濁液を調製します。

02

細胞を注入

HIVEに細胞を注入し、バーコード付きmRNA捕捉ビーズを含むHIVEピコウェルに単一細胞を静かに沈めます。
(遠心機がない場合は30分以上の静置処理で代用可)

03

細胞の保管/輸送

細胞が安定した環境にある場合は、HIVEを冷凍庫に保管します。遠方にあるラボで解析の受け入れ準備ができたら発送することも可能です。
(-20℃以下で最大9ヶ月保存可能)

04

mRNAをビーズに結合

ウェルを密閉して、ビーズ1個と細胞1個が入った隔離されたチャンバーを作ります。細胞を溶解し、mRNA をビーズに結合させます。

05

ライブラリの準備

HIVEからビーズを抽出し、捕捉したmRNAを増幅して、シーケンス可能なライブラリを作成します。