酸化劣化測定システム
ケミルミネッセンス (CL) アナライザー
ケミルミネッセンスアナライザーは酸化劣化反応で生じるフォトンレベルの光を検出できる世界最高水準の超高感度発光計測装置です。有機物が酸化劣化する際に出るケミルミネッセンスを測定して、酸化劣化度の評価に利用します。
4種類の本体と6種類の試料室が用意されています。使用目的によりそれらを選択、組み合わせて使用することが可能です。
酸化劣化反応を光で捉える
有機物が酸化すると過酸化物(酸化物)が生成されます。これらが分解され、励起物質が基底状態に戻る際に光や熱を放出します。この微弱な光を測定することで酸化劣化度を測定することが可能になります。これをケミルミネッセンス法(CL法)といいます。
CLアナライザーは光電子増倍管(フォトマル・PMT)や超高感度CCDカメラを使用して酸化劣化によって発せられた微弱な発光を検出し、目に見える変化が現れる前の初期段階の酸化劣化を捉える装置です。
測定対象と使用目的
CL法による測定は高分子素材や食品・化粧品・医薬品の早期劣化診断、生体試料を用いた疾病研究に利用することができます。
高分子
樹脂、塗料、フィルム、ゴム、ポリマー(PP、PE、PCなど)、包装材料、接着剤など
- 新規素材開発時の酸化安定性試験
- 添加剤の効果判定、酸化安定性評価、スクリーニング
- 購入材料の受け入れ検査
- 出荷製品の品質管理
- 成型加工条件の検索
- リサイクル材の評価
- 2次元発光画像測定による劣化部位、酸化家庭の確認、多検体同時測定
- 電子照射、表面処理過程のモニター
食品・化粧品・薬
各種食品(油、ビール、米、お茶、健康飲料など)、化粧品類、抗酸化物質など
- 製造工程における酸化劣化管理
- 材料の受け入れ検査
- 出荷製品の品質管理
- 新規抗酸化物質のスクリーニング、最適濃度、組み合わせの検討
- 2次元発光画像測定による劣化部位、酸化家庭の確認、多検体同時測定
生化学
血液、臓器、皮膚、細胞、植物、種子、薬など
- 血中過酸化物測定
- 生体ストレス検出(透析、薬剤、光照射等)
- 抗酸化物質や各種薬剤の効果判定
- 2次元発光画像測定による劣化部位、酸化過程の確認、多検体同時測定
CL法のメリット
CL法では極初期の酸化劣化を検出することができます。これにより、従来では数か月かかっていた新製品の酸化安定性の促進試験(光照射や加熱など)を短期間で実施することが可能になります。
また、材料の出荷・受け入れ検査でNG品を排除したり、製造工程や成型加工の工程での加熱によって生じる製品の酸化劣化を確認したりすることで、製品の不具合品を減らすための最適な加工条件を検討することができます。