培養細胞のATP産生能の測定
概要
ミトコンドリアの研究においてATP生産能の測定は重要な検証対象です。しかし、ミトコンドリア分画抽出に超遠心が必要なことから細胞中のATP量を代用する場合が多くあります。(近年、分画したミトコンドリアを用いてATPが消失した状態を検体に用いて実験する方法も行われています)
一般的に培養細胞数の試験においてATP量はその代用物質として測定されています。本目的では播種する細胞数をできるだけ揃えて僅かなATP量の差異を測定する必要から、検体によるバラつきを補正するためにプロテインアッセイのパラレルテストを推奨します。
ATP測定試薬にルシフェラーゼが含まれていること、一般的なATP測定用のライセート試薬ではプロテインアッセイで偽陽性となることが多いことなど、One tube assay はできません。
ATP測定とプロテインアッセイをパラレルテストするにはこれらの課題を解決した専用の抽出発光試薬キットと高感度なチューブタイプのルミノメーターの組合せ使用が最適です。
一般的な手順 (ATP+プロテインアッセイ)
- ATP抽出試薬を添加
- 抽出検体からプロテインアッセイ用とATP発光測定用をそれぞれ分割採取
- それぞれの分割採取検体にプロテインアッセイ試薬またはATP発光試薬を添加
- 吸光度測定と発光測定
- 吸光度測定で発光測定値を補正
推奨製品
試薬:
- プロテインアッセイが使用可能なATP抽出試薬が採用されているATP発光キット
- BCA試薬
装置:
- シングルチューブルミノメーター (Berthold Technologies製)
- 吸光度リーダー (Berthold Technologies製など)
この実験系には下記の装置が最適です!